コーヒー好きなら当然知ってる?「ナチュラル」と「ウォッシュド」の違い

コーヒー屋さんで、

「ナチュラルで精製されたコーヒーです」とか、
「これはウォッシュドのコーヒーです」といったフレーズを聞いたことありませんか?

コーヒーを楽しむコツはたくさんありますが、その中でも知るだけでコーヒーの奥深い世界に触れられる言葉として注目されるのが、「ナチュラル」と「ウォッシュド」という言葉です。

この言葉は、コーヒーの味と直結する言葉で、意味がわかると、カフェ巡りがグッと楽しくなります。この2つの言葉の意味、ご存知でしょうか?

ひとことで言うと、コーヒー豆の生産処理方式のことです。コーヒーの実を摘んだ後「どんな工程を経てグリーンビーン(生豆)になっているか」を表しています。実は、これによってコーヒーの味はがらりと別のものに変わってしまうのです。

気候に左右される「ナチュラル」と安定の「ウォッシュド」

私たちがお店で見るコーヒー豆は、実を収穫して、外側の果実を剥くと出てくる中の豆を乾燥させたものを火で煎ったものです。

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実の味は、実がどうやって育ったかといった条件で変わりますが、実の中の豆をどうやって乾燥させるかで全くの別物に変わってしまうような重要なポイントです。

コーヒーの実を摘んで、そのまま果実を剥かずに乾燥させるのが「ナチュラル」、果実を剥いてきれいに水で洗って(ウォッシュして)乾かした豆は「ウォッシュド」といいます。

「ウォッシュド」のことをウェット方式、「ナチュラル」のことをドライ方式と呼ぶこともあります。

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そのまま剥かずに乾燥させ、最後に脱穀をかける「ナチュラル」方式のほうが簡単でお金もかからないのですが、コーヒーの果実は、パンの発酵に使われるほど多くの酵母を含んでいて、実を剥かなければ、1日もたたずに発酵を始めます。

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そんな発酵し続ける実をきれいに乾燥させるのは、雨の降らない気持ちいい快晴が不可欠で、乾燥の仕方がまずければ、簡単に味が崩れてしまいます。

最初に実を剥く「ウォッシュド」方式であれば、実を剥くパルパーにかけた時点で、熟していない固い実を見つけることも簡単なので、熟していないおいしくない豆を取り除くこともできます。

なにより、少しぐらい曇り空でも、果実が豆についていないので、きれいに乾燥させることができます。簡単に言うと、失敗しにくい方法です。

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「ナチュラル」と「ウォッシュド」の味の違い

今までの話を聞くと、じゃあ、味が安定して、天気が悪くても乾燥しやすい「ウォッシュド」の方がいいんじゃないの?と思いますが、「ナチュラル」のコーヒーは、そのリスクの大きさを考えても、諦められないおいしさがあります。

私たちが飲みなれているコーヒーのほとんどは「ウォッシュド」のコーヒーで、すっきりとしたクセのない、クリーンな味が特徴です。どんな朝ごはんにも、そのクセのなさで、ピッタリと合います。10杯飲んで、10杯ともおいしい、という安心感・安定感もあります。

一方「ナチュラル」は、熟成したワインのような風味や、コーヒーの果実から移った豊かなコクと甘みが特徴です。豆によってクセも多く存在するため、そのクセを上手く活かす焙煎士の腕が問われますが、上手に準備された「ナチュラル」の豆は豊かな果実味やカカオの香りを楽しむことができる一級品です。

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ナチュラルのほうが酸味が低くなるともいわれているので、コーヒーの酸味が苦手な方はナチュラルを試してみるのもオススメです。

「ナチュラル」と「ウォッシュド」の中間「ハニープロセス」

オーダーしたコーヒーが「ウォッシュド」か「ナチュラル」かをお店の人に尋ねると、

ハニープロセス」です。
パルプドナチュラル」です。

と言われて戸惑うことがあるかもしれません。それは、「ウォッシュド」と「ナチュラル」のちょうど真ん中の豆なんだと思ってもらえば大丈夫です。

「ハニープロセス」も「パルプドナチュラル」も、果肉を取り除いてから乾燥させる方法ですが、少し果肉を豆の上に残して乾燥をします。

「ナチュラル」のような甘みや熟成した独特の香りを残しますが、「ウォッシュド」のように、失敗が少なく品質が安定するのが特徴です。クセも「ナチュラル」ほど奇抜でないため、飲みやすいコーヒーに仕上がることが多いです。

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ハニーが入っているわけではないのですが、果肉を残すため乾燥の際に豆に蜂蜜を塗ったような粘着性が出るのと、「ナチュラル」のような強い果実の甘みからその名前が付きました。

スッキリとした「ウォッシュド」、クセはあるけど味わい深い「ナチュラル」

最近では、淹れてもらえるコーヒー豆を選べるカフェも増えてきているので、朝のすっきりしたい気分の時は「ウォッシュド」、ゆっくりとした休みの日はクセはあるけど味わい深い「ナチュラル」や、「ハニープロセス」と、飲み分けてみると、単調に思えたコーヒー選びも、グッと楽しいものに変わりますよ。

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カフェに行く時は、「ウォッシュド」か「ナチュラル」か、ぜひバリスタさんに聞いてみて、あなたのCoffee Lifeを楽しんでくださいね。

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吉田 祥平

フリーランスのライター・フォトグラファー。西ミシガン大学にてジャマイカブルーマウンテンのコーヒー農業を研究。東北復興を行うNGOのスタッフや内閣府のアメリカにおける使節団のコーディネートの他、東京・横浜の公的機関にて海外企業の支援を行うなど幅広い経験を持つ。