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モンスーンコーヒーなどインド産コーヒー豆の特徴-黄金コーヒー

コーヒーでインドを連想する人は少ないと思います。実際にインドの飲み物で連想するものといったらほとんどの人がチャイやラッシーかと思います。しかしインドではコーヒー豆の栽培も行われており、コーヒーを飲む文化が今急成長しています。

インドはコーヒーの栽培に適したエリアであるコーヒーベルトに含まれており、特に南部では昔からコーヒーの栽培が盛んです。今回はそんなインドのコーヒー栽培とコーヒー文化の発達について書いていこうと思います。

参照記事
ベトナム産コーヒー豆の特徴-ロブスタ種最大の生産地

目次

1). インド産コーヒー豆の栽培方法
2). 盗品から始まったインド産コーヒーの歴史
3). インドモンスーンコーヒー
4). インドのコーヒー文化
5). インディアンコーヒーとマサラコーヒー

インド産コーヒー豆の栽培方法

インド産コーヒーは主に南部エリアで生産されています。インドの南部は標高1,000mを超えるような高地が多く、コーヒー豆の栽培に適しているためです。主な産地として有名なのは、ルナカータ州であり70%以上のコーヒー豆はここで栽培されています。

他のエリアではインド南部のケーララ州も名前が知られておりインド全体の20%くらいのコーヒー豆はここで生産されています。インドでは品質の高いアラビカ種と品質の低いロブスタ種が半々くらい作られているのですが、ほとんどのアラビカ種はこの南部エリアで栽培されています。

またインド産のコーヒー豆は大自然の中で栽培されていることでも知られています。美味しいコーヒー豆を栽培するための条件の1つに“日照量”があります。日照量はその名前の通り、太陽光をどれだけ浴びるかということなのですが、これは多すぎても少なすぎてもいけません。

参照記事
コーヒー豆の産地と栽培条件の特徴について【保存版】

インド南部は赤道付近であるために、そのままコーヒーを栽培するとあまりにも多すぎる太陽光を受けてしまします。そこでシェイドツリーという太陽光を遮るための他の常緑樹が近くに植えられています。

シェイドツリーによって日照量がコントロールされている以外にも、落ち葉が天然の肥料として土壌を豊かにします。この自然環境を利用したコーヒー豆の栽培が、オーガニックに近い化学肥料をできるだけ使わない栽培を可能にしています。

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インド産のコーヒー豆は日本ではそこまで知られていませんが、世界的には生産量が多く、コーヒー豆の生産における国別のランキングで常にトップ10には入っています。

生産されたコーヒー豆の70%は輸出されて、残りの30%は国内で消費されています。主な輸出先としてはイタリアやドイツといったヨーロッパがほとんどであり、日本にも一部輸出されています。

インドでは大規模にコーヒー豆の栽培を行っている生産者もいますが、生産者のほとんどは小規模コーヒー農家であり、収穫は手摘みで丁寧に行われてます。

盗品から始まったインド産コーヒーの歴史

インドにおけるコーヒーの歴史は実はかなり古いです。コーヒーはもともとエチオピアとイエメンが発祥の地となっていますが、インドで最初のコーヒーはここから盗まれたものであると言われています(笑)

イエメンではまだコーヒーが発見されたばかりの頃には、外部にコーヒーの栽培情報が漏れることを防ぐために、厳重にコーヒーの苗木が管理されていました。しかし、インド人イスラム僧侶であるババ・ブーダンは、メッカにイスラム教の巡礼をしている最中に、秘密に守られているコーヒーの存在を知りました。

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そこでひっそりとコーヒーの種を7粒。こっそりとインドへと持ち出したとされています。それらをインド南部にあるカルナタカ州マイソールの標高の高いにチャンドラヒルに植えたところ、その中の1 つが発芽したそうです。

現在ではチャンドラヒルはインドにコーヒーを伝えたババ・ブーダンに敬意を示して、ババ・ブーダンの丘と呼ばれています。ちなみにこの丘では今でもコーヒー豆の栽培が行われています。

なのでコーヒーの歴史的には、エチオピア、イエメンについでインドは世界で3番目にコーヒーの歴史が古い国になります。盗品から始まる歴史というのも、なかなか面白いですね(笑)

参照記事
コスタリカ産コーヒー豆の特徴-アラビカ種以外は禁止





インドモンスーンコーヒー

インド産コーヒー豆の中でもいろんなタイプのコーヒー豆がありますが、その中でも有名なのが「インドモンスーンコーヒー」です。このコーヒー豆には「黄金コーヒー」というニックネームもついています。

これはインドが植民地支配を受けていた際についたニックネームです。当時はインドからヨーロッパまで航海するのに半年ほどかかり、その間にインド産コーヒー生豆の色が緑色から黄金色へと変化したことからこの名前がつきました。

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その後、交通網の発達によりこの黄金コーヒーことインドモンスーンコーヒーは姿を消しましたが、ヨーロッパでインドモンスーンコーヒーが好きだった人たちからのリクエストに応える形で、インドモンスーンコーヒーは復活しました。

インドモンスーンコーヒーは5月〜6月にかけて発生するモンスーン(貿易風)という季節性の風を利用したものであり、コーヒーを列に並べてモンスーンが均一に吹き抜けるようにします。このような加工を7週間続けることで、当時のようなコーヒー豆の味を再現するのです。

独特な精製方法によって作られるインドモンスーンコーヒーの味は、強い独特な苦味を持っています。酸味はほとんどなく、強めな風味のコーヒーになります。他にはないインドモンスーンコーヒーならではの味を愛する人は数多くいます。

参照記事
アンティグアなどグアテマラ産コーヒー豆の特徴について

インドのコーヒー文化

インドモンスーンコーヒーの精製方法と味はとても特殊ですが、そもそもインドのコーヒー文化の発達も他の国では見られないような特殊な方法で発展してきました。

インドでは昔から北部は紅茶文化で南部はコーヒー文化と言われてきました。日本でも関東と関西で食文化に違いがありますが、インドでも同じように飲み物の文化は北と南で大きく異なっていました。

なので、コーヒー好き=インド南部の人というような認識があったのですが、カフェチェーン店の登場によりその文化は大きく変貌を遂げました。アメリカのスターバックスコーヒー、スイスのネスレ、イタリアのラバッツァなど数多くの外資系のチェーン店が人口が多く市場が大きなインドに進出し、拡大を進めてきました。

しかしインドのコーヒーチェーン店で最もウケているのはCafe Coffee Dayというインド独自のスタートアップによるカフェチェーン店です。Cafe Coffee Dayは株式上場の噂も広がっており、インドから他のアジア圏内の国々への進出も行っています。

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参照記事
Cafe Coffee Day-セカンドウェーブをワンテンポ遅れた途上国で展開-

インド国内のコーヒー消費量は年に5%~6%の割合で伸び続けており、絶対的な人口の多さも相まって、世界的にもトップレベルのコーヒー消費国へと変貌を遂げつつあります。いずれはコーヒーを語る上でインドの存在は切っても切り離せないものになるかもしれません。

インディアンコーヒーとマサラコーヒー

世界では国ごとに独自のコーヒーの飲み方が考案されて、それぞれの文化や環境に応じたコーヒーが飲まれます。例えば、トルコでは「トルココーヒー」いう独自の飲み物がありますし、ロシアでは「ロシアンコーヒー」が飲まれています。

ちなみに「コーヒーゼリー」は日本で考案されたと言われています。インドにおいても、「インディアンコーヒー」と「マサラコーヒー」という独自のコーヒーの飲み方があります。

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まずインディアンコーヒーですが、これはひとことで言うと、甘い泡立てられたコーヒーです。まず少量のコーヒーにミルクと砂糖を加えます。それを2つの金属の容器を使って、高い位置からもう1つの容器に泡立てるように注ぎます。

何か子供がコーヒーで遊んでいるかのような作り方ですが、このインディアンコーヒーは今でもインドでは好んで飲まれる伝統的なコーヒーを使った飲み方になります。

2つ目のマサラコーヒーですが、これはいかにもインドらしいスパイシーさのあるチャイのようなコーヒーです。これは深煎りのコーヒーにシナモン、ナツメグなどの香辛料とミルクを加えた飲み物です。チャイに似た味がしてスパイシーな飲み物が好きな人にはオススメです。

コーヒーの苗木の盗品から始まり、その後も独自のコーヒー文化を築いてきたインドですが、そのコーヒー市場の大きさから今では世界的な存在感も高まっています。今後も他の国では楽しめない独自のコーヒーの楽しみ方がインドから出てくると面白いですね。

参照記事
ロシアンコーヒーとは?ウォッカを入れる作り方(レシピ)






 
 

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