デミタスカップとエスプレッソカップの違いは何か
2017.03.14 / コーヒー豆知識 / Tetsutaro Inoue
スタバやドトールなどのカフェで最も小さいカップのサイズは何かご存知でしょうか。ほとんどの人はショートサイズ(またはスモールサイズ)のカップが最も小さいカップだと思っているのではないかと思いますが、実はそれよりも小さいカップが存在します。
ショートサイズより小さいカップとして、デミタスカップやエスプレッソカップと呼ばれるものがあります。カフェでは、このカップはエスプレッソというコーヒーの成分を凝縮したような苦い飲み物を飲むために使われます。
参照:「エスプレッソ」と「ルンゴ」と「アメリカーノ」と「ロングブラック」の違い
ちなみにこのデミタスカップやエスプレッソカップではラテやコーヒーを注文することができません。あくまでエスプレッソを入れるためのカップですので、コーヒーをこのカップに入れてもショートサイズよりも安くはなりませんのであしからず(笑)
デミタスカップもエスプレッソカップもすごい似ている小さいカップなのですが、実はそれぞれ微妙に違いがあります。今回はそんなデミタスカップとエスプレッソカップの違いについて書いていこうと思います。
デミタスカップとは何か
デミタスカップは半分の大きさのコーヒーカップ
まずはデミタスカップについてなのですが、名前の「Demitasse(デミタス)」はフランス語で「Demi」=「半分の」で「tasse」=「コーヒーカップ」という意味ですので、合わせてコーヒーカップ半分の大きさのカップという意味になります。
実際の容量の大きさは60ml〜80mlくらいのカップですので、普通のショートサイズのカップの半分以下くらいになります。普通のマグカップと同様に白色の陶器であることが多いですが、金属製のものやガラス製のものもあるようです。普通は同じ柄のソーサーと一緒に出されます。
参照:コーヒーをソーサー(受け皿)に移し替えて冷ましてから飲む文化があったwww
よくデミタスカップはエスプレッソを飲むためのカップと誤解している人が多いですが、決してデミタスカップはエスプレッソを飲むための専用のカップではありません。
もちろんデミタスカップにエスプレッソを入れて飲むことも多いですが、濃く淹れたホットコーヒーを入れる人もいますし、トルココーヒーなどもデミタスカップで飲まれます。
デミタスカップは苦肉の策で生まれた
もともとデミタスカップが発明された経緯もエスプレッソを飲むためではありませんでした。その起源はナポレオンの時代までさかのぼります。1806年にナポレオンの率いるフランスは他のヨーロッパの国と戦争をしていました。
その中でフランスは大陸封鎖令を言うものを発令し、コーヒー豆の輸出入も制限されるようになり、ヨーロッパ全土でコーヒー豆が不足しました。多くのカフェはコーヒーに似た味のする他の飲み物で代用しました。
しかし、イタリアにある名門カフェの「カフェ・グレコ」はコーヒーを他のもので代用したり、薄めたりすることは自分たちのポリシーに反するとし、コーヒーの品質はそのままで量だけ減らしてコーヒーを提供しました。
そのため普通よりも小さいカップが必要になり、そこでデミタスカップが使われるようになったのです。デミタスカップが戦争の苦しい中でも品質を落とさずに美味しいホットコーヒーを提供したいというカフェが生んだものだったのです。
デミタス缶コーヒーは何者か
デミタスカップという単語を聞くと、CMなどで流れていた「デミタス缶コーヒー」を連想する人もいるかと思います。これは普通の缶コーヒーの半分の大きさというわけではないのですが、普通の缶コーヒーよりも少しだけ小さいサイズになっています。
普通の缶コーヒーよりも小さい量を同じ値段で提供していて、より高級な缶コーヒーだよということをアピールするためにこの名前が付けられたと言われています。実際にデミタス缶コーヒーの方が普通の缶コーヒーよりもより美味しいという意見が多いようです。
エスプレッソカップとは何か
エスプレッソカップはデミタスカップよりも更に小さい
次にエスプレッソカップですが、これは容器の大きさが20ml〜50mlくらいであり、デミタスカップよりも更に一層小さいカップになります。デミタスカップと同じで白色の陶器で作られたものが多く、ソーサーが付いています。
エスプレッソカップには持ち手の取っ手が気持ち程度についているのですが、とても小さくて誰もこの穴に指を入れることはできないと思います。なぜこんなデザインにしたのかは謎ですが、この取っ手をつまむようにして飲むのが一般的です。
エスプレッソを飲むためだけにデザインされている
エスプレッソカップはその名前の通り、エスプレッソを飲むためだけにデザインされています。それがデミタスカップとの大きな違いです。美味しいエスプレッソを飲むにはどんなカップがいいか考え抜かれた結果がエスプレッソカップなのです。
もともとエスプレッソは通常のコーヒーに比べて量が絶対的に少ないです。そのために普通のマグカップに入れてしまったらすぐに冷めてしまい、美味しくなくなってしまいます。
それを防ぐためにエスプレッソカップは普通のマグカップよりもカップに厚みがあります。この厚みによって少量のエスプレッソカップでも冷めにくくしているのです。また飲み口に丸みがあり、口当たりを優しくすることで苦味を和らげます。
飲み口の開きを狭くすることでエスプレッソの香りが逃げないようにし、カップの底を丸く膨らませることで、良質なエスプレッソのクレマを作れるようにします。このようにエスプレッソカップは美味しいエスプレッソを飲むためだけにデザインが極められているのです。
デミタスカップが生まれてから約100年後に、エスプレッソの誕生とともにエスプレッソカップも生まれました。そこから数々の改良が加えられて今の形のエスプレッソカップが出来上がったのです。
参照:エスプレッソマシンのキャデラックこと「キース・ファンデルベステン」について
このようにデミタスカップとエスプレッソカップは似ていますが、微妙に違いがあります。デミタスカップがエスプレッソカップだけでなく様々なタイプの飲み物が飲めるようにデザインされています。
一方で、エスプレッソカップはエスプレッソを飲むためだけに特化して作られています。エスプレッソカップの方が使い道が少ない分、デミタスカップよりも美味しくエスプレッソを飲むことができます。
オシャレなデミタスカップとエスプレッソカップ
(1) カラフルなデミタスカップ
1つ1つのクオリティが高くてとにかく色鮮やかです。デミタスカップの形が丸だけじゃないのも面白いですね。
(2) ラ・マルゾッコのデミタスカップ
エスプレッソマシンで1番有名と言っても過言ではないラ・マルゾッコのデミタスカップです。シンプルでありかつクールですね。
(3) シンプルなデミタスカップ
とてもシンプルではあるものの、グラデーションが綺麗で洗練されています。1セットあるだけで色々と使えそうですね。
(4) シンプルな赤いエスプレッソカップ
シンプルな赤色のエスプレッソカップ。見ただけで絶対に美味しいエスプレッソが飲めそうな感じが伝わります。
(5) 発掘された遺跡っぽいエスプレッソカップ
なんとなく発掘された遺跡っぽい感じのいい意味での古めかしさを感じさせるエスプレッソカップ。こういうのもいいですね。


