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イタリアのコーヒー文化-スタバなどシアトル系とは違った文化

普段何気なく飲むコーヒーの文化を作り出しているその震源地はどこでしょうか。スタバやブルーボトルコーヒーなど日本でも流行っているカフェはいずれもアメリカの西海岸から登場しました。

特にスタバはアメリカと日本だけでなく他の国にも大きく拡大しており、今までの歴史上ここまで拡大を続けているカフェは存在しないくらいの未踏の領域にまで突入しています。

スタバやタリーズなどセカンドウェーブの代表的なカフェをまとめて「シアトル系コーヒー」と呼ぶことがありますが、それはこれらのカフェがアメリカのワシントン州にあるシアトルという町が発祥の地であることからきています。

参照記事
スターバックスの次に来るコーヒー業界の注目メガベンチャー

しかし、コーヒーの文化を作っているのは何もアメリカだけではありません。最近はシアトル系コーヒーに押されがちですが、イタリアのコーヒー文化も昔から人々に楽しまれてきました。今回はそんなイタリアのコーヒー文化について書いていこうと思います。

イタリア人にとってコーヒーは命

イタリア人は多くの人がコーヒーを愛しており、1日に何度もコーヒーを飲む人が多いです。まず朝起きたら1日働く元気を出すためにカプチーノを飲み、ランチが終わったら食後にエスプレッソを飲んで午後に備え、仕事後に自分にはお疲れ様の意味を込めてさらにもう1杯のエスプレッソを飲む人が多いです。

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朝こそカプチーノやカフェ・ラテなどを飲む人が多いですが、午後以降はミルクを使わないエスプレッソそのものを飲む人が多いようです。エスプレッソを飲む際には1杯の水が一緒に提供されることが多いですが、この水を最初に飲んで口の中をすっきりさせた後にエスプレッソを飲みます。

コーヒーの飲む場所はバール

日本では街中のいたるところにスタバなどのカフェのチェーン店がありますが、イタリアの首都ローマにはスタバが一軒もありません。もっと言えばカフェのチェーン店そのものが見当たりません。

基本的にイタリアのカフェはどこも個人経営でやっているところが多く、それぞれが独自のこだわりを持ってコーヒーを提供しています。そしてイタリアではカフェのことを「バール」と呼びます。

参照記事
バールマンとバリスタの違い-イタリアのバールで働くプロ達

日本ではカフェというとテーブルとイスで飲むのが普通ですが、イタリアではカフェがいくつかの形態に分かれています。そして一番メジャーなのが立ち飲みでコーヒーを飲むバールです。

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日本でサラリーマンが立ち飲み居酒屋で一杯ふっかけるように、イタリアではバールでエスプレッソを飲む文化があります。ちなみに日本ではよくコーヒーカップを片手にコーヒーを飲むながら街中を歩く姿が見られて、おしゃれとされていますがイタリアではその場で飲みきってしまうのが一般的です。

イタリアコーヒーの歴史

イタリアのコーヒー文化はかなり昔からありました。交易で発展したイタリアのヴェネツィアにアラブ人の飲み物としてコーヒーが飲まれ始めたのが始まりと言われ、15世紀には徐々にコーヒーを飲む文化が浸透してきました。

1720年になるとヴェネツィアで「カフェ・フローリアン」という世界最古のカフェが誕生し、多くの芸術家や政治家、遊び人やチャラ男などありとあらゆる人々が集まって交流する場所になりました。

参照記事
カフェ・フローリアンとは?ヴェネツィアにある世界最古のカフェ

その後1760年になると首都ローマに最初のカフェである「カフェ・グレコ」が誕生しました。このカフェはその後、デミタスカップを発明したりしてその名を馳せ、今でも伝説のカフェとして営業しています。

参照記事
アンティコ・カフェ・グレコというイタリアの伝説的カフェ

これら伝統的なカフェが今のイタリアのコーヒー文化の基盤を作り上げました。その後もイタリアはアメリカとは少し違う方向で独自のコーヒー文化を発展させていくことになります。

イタリアといったらエスプレッソ

日本でただ単に“コーヒー“と言うとドリップ式コーヒーを意味しますが、イタリアで”コーヒー“と言うとそれはエスプレッソを意味します。エスプレッソを抽出する機械であるエスプレッソマシンは1901年にイタリアのミラノで発明されました。

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そもそもエスプレッソとは、蒸気の圧力を使ってコーヒーを抽出します。ドリップ式のコーヒーはコーヒーフィルターの上からお湯を注いでゆっくりと抽出しますが、エスプレッソは特殊な機械で圧力をかけて数十秒で少量を一気に抽出します。

参照記事
エスプレッソvsルンゴvsアメリカーノvsロングブラックの違い

コーヒーの量もドリップ式とエスプレッソでは大きく異なります。ドリップ式コーヒーではマグカップ1杯分くらいを抽出しますが、エスプレッソはエスプレッソカップという100cc〜140cc前後の小さいカップに1杯分を抽出します。量が少ない分エスプレッソはコーヒーが濃縮されていて苦いイメージです。

イタリアのコーヒー文化が生んだこのエスプレッソが世界的に広まった背景には、スタバの貢献が大きいと言われています。イタリアで飲まれていたエスプレッソをアメリカにも輸入し、カフェ・ラテやカプチーノをアメリカでも流行らせたためです。

さらにスタバはアメリカ以外の国にも拡大していき、日本でもエスプレッソを使ったコーヒーが飲まれるようになっていきました。ラテなどはアメリカ発祥のような雰囲気がありますが、実はイタリア発祥のコーヒーをアメリカが取り入れたものだったのです。

参照記事
キース・ファンデルベステンとは何か?クールなエスプレッソマシン

日本ではエスプレッソは単体では飲まずに牛乳などを加えて、カフェ・ラテ、カプチーノ、アメリカーノなどにして飲むのが一般的です。しかし本場イタリアではエスプレッソをそのまま単体で飲みます。

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ただし何も入れずにエスプレッソを飲むとかなり苦く、レッドブルを一気に飲むよりもきついです。そこで砂糖をたっぷりと入れて、2口~3口くらいでクイッと飲むスタイルが一般的です。

また、イタリアには「カフェ・ソスペーゾ」という文化があり、金持ちがエスプレッソを飲むときに2倍の料金を払い、代金の残りは貧乏でエスプレッソが飲めない人に飲ませてあげる文化があるそうです。エスプレッソはみんなで楽しんで飲むものという文化が根底にはあるのです。

イタリア流エスプレッソドリンクの種類

(1) カフェ

いわゆる普通のエスプレッソであり、イタリアで最もオーソドックスでよく注文されるコーヒー。砂糖をたっぷりと入れて甘くしてから飲む人も多い。

(2) カフェ・マキアート

エスプレッソに少しだけスチームして温めたミルクを入れたもの。カプチーノよりもミルクの量が少ない。

(3) カプチーノ

日本でもスタバなどの影響でよく飲まれているカプチーノと同じ。エスプレッソにスチームして温めたミルクと泡立てたフォームミルクを入れたもの。

(4) カフェ・ルンゴ

カフェと同じでエスプレッソのみではあるのだが、普通のエスプレッソよりも抽出時間を長くしてお湯の量が多くなっている。

(5) カフェ・ラテ

これも日本で流行っているので知っている人は多そうではありますが、エスプレッソにスチームして温めたミルクを入れたもの。 泡だったフォームミルクが入っていないのがカプチーノとの違い。

(6) エスプレッソ・コンパナ

エスプレッソに生クリームを乗せたもの。実は日本のスタバでも注文すれば作ってくれる。
スタバやタリーズなど日本でもシアトル系のカフェが数多く展開されています。その事実だけを見ると日本のコーヒーはアメリカ流のものが流行っているようにも見えます。しかし、その根底にはイタリア流のコーヒー文化が一部入っており、日本でも楽しまれているのです。
 
 

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