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コートジボワール産のコーヒー豆について-ロブスタ種の元最大生産地に何があったのか

2017.02.26 / コーヒー豆の種類 / Tetsutaro Inoue

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ほとんどの人がコートジボワールと言われても何も想像できないのではないでしょうか。何となくアフリカの国の1つであることは分かっていても、それ以上はよく分からない人が多いかと思います。

何年か前にサッカーのW杯があった際に、日本とコートジボワールが対戦して、ドログバという有名なサッカー選手がコートジボワールにいたことを覚えている人ももしかしたら多いかもしれません。
 


 
そんな日本人には馴染みがあまりないコートジボワールですが、コートジボワール産のコーヒー豆を飲んだことがあるという人も少ないかと思います。しかし、実はコートジボワールはかつてブラジル、コロンビアに次ぐ世界第3位のコーヒー豆生産国であった歴史もあります。

今回はそんなコートジボワール産のコーヒー豆について、なぜ世界的なコーヒー豆の生産地としての立ち位置を譲ることになったのかなどについてまとめて書いていこうと思います。
 



 
目次
1). そもそもコートジボワールとはどんな国か
2). コートジボワール産コーヒー豆の生産について
3). コートジボワール国内情勢の悪化によるコーヒー豆の生産減少
4). コートジボワール産コーヒー豆の味
 



 

1). そもそもコートジボワールとはどんな国か

そもそもコートジボワールとはアフリカの西部に位置している人口2,000万人ほどの国です。日本の人口が1億2,000万人くらいなのでそれに比べると少ない人口の国になります。

面積は約33万㎢とほぼ日本と同じくらいの大きさの国です。植民地時代にはフランスによって植民地支配を受けており、1960年に独立しました。その名残で、今でもコートジボワールにはフランスのコーヒー業者がいくつか進出しています。
 
参照:キリマンジャロコーヒーで有名なタンザニアのコーヒー豆について-アフリカ最高峰の山で採れるコーヒー
 
コートジボワールという名前の由来は、かつて象牙(ゾウの白いキバ)が盛んに輸出されていた経緯から、フランス語で「象牙海岸」を意味する「コートジボワール」となっています。

そのためにコートジボワール=象牙を連想する人も多く、コーヒー豆の名前も「アイボリー ロブスタ」などと呼ばれています。カカオなどの農産物の生産が活発であり、コーヒーもコートジボワールの経済を支える輸出物として国を支えています。
 



 

2). コートジボワール産コーヒー豆の生産について

コートジボワールでコーヒー豆の栽培が本格的に始まったのは19世紀からでした。当時植民地支配をしていたフランスがコーヒー豆を移植して栽培し始めたのがきっかけです。

一般的に、コーヒー豆の木はどこでも栽培できるわけではなくて、コーヒーベルトと呼ばれる暖かいエリアであり、かつ土壌や標高など、栽培するには多くの条件が存在します。
 
参照:コーヒー豆の産地とコーヒー豆の栽培について【保存版】
 
しかし、コートジボワールはそれらの条件をすべて満たしているわけではなく、コーヒー豆を栽培するのに最適な場所であるとは言えません。そのために通常の味の良いアラビカ種のコーヒー豆ではなくて、より“タフ”な環境でも育つロブスタ種のコーヒー豆の生産がメインとなっています。
 

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そんな逆境の中でもコートジボワールではコーヒー豆の栽培が行われ、1970年〜1990年くらいまではコートジボワールがアフリカ最大のコーヒー豆の生産国でした。現在ではベトナムなどがロブスタ種のコーヒー豆の生産地として知られていますが、当時はコートジボワールが世界最大のロブスタ種のコーヒー豆の生産地でした。

実際に、コーヒー豆はカカオに次いでコートジボワールの輸出品目の第2位であり、コーヒー豆の生産はコートジボワールにとっては必要不可欠のものになっています。
 



 

3). コートジボワール国内情勢の悪化によるコーヒー豆の生産減少

このようにコートジボワールにおいて、カカオやコーヒー豆といった農産物は輸出によって外貨を獲得するためにもとても重要であり、コートジボワールの経済を支えてきました。

しかし、2000年頃にコートジボワールでは大規模なクーデターが発生し、内乱により経済は大きく混乱しました。もともとコートジボワールはアフリカの西部に位置している国の中では比較的に裕福な国と呼ばれていたのですが、この内乱により人々の生活は一気に苦しくなりました。

このクーデターはコーヒー産業にも大きな影響を与えています。もともと40万トン近かったコートジボワールのコーヒー豆の生産はこの混乱の中で、一気に3万トン近くまで減少し、コートジボワール産コーヒー豆の生産量は大幅に減少しました。
 


 
コートジボワールのコーヒー産業におけるこの混乱を解決するための取り組みとして、最近ではフェアトレードが注目されています。フェアトレードはコーヒー農家からコーヒー豆を買い取る際に最低価格を事前に決めておき、どんなにコーヒー豆の市場価格が下がっても最低金額を保証するというものです。
 
参照:フェアトレードコーヒーの実態-フェアトレードは途上国支援なのかそれともただの茶番なのか
 
フェアトレードによってコートジボワール産コーヒー豆の最低価格を保証することで、経済混乱の中であっても、コーヒー農家は賃金収入に安定感を持たせることができ、ひいてはそれがコーヒー豆の品質の向上につながるのではないかと期待されています。
 



 

4). コートジボワール産コーヒー豆の味

そんなかつては大規模生産されていたものの、内乱によって不安定化しているコートジボワール産コーヒー豆ですが、ほとんどはロブスタ種のコーヒー豆となっています。

コーヒー豆の種類はざっくりとアラビカ種とロブスタ種に分けることができます。アラビカ種は栽培するのが難しいのですが、その代わりにコーヒーの味が美味しくて値段も高価になります。
 

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一方で、ロブスタ種は栽培するのが簡単なのですが、その代わりにコーヒーの味が美味しくなくて、値段も安価になります。ですので、コートジボワール産コーヒー豆についても味はそこまで美味しくないと感じる人が多いです。

実際にコートジボワール産コーヒー豆の味はベトナム産コーヒー豆に似ており、苦味が強くスパイシーです。そのために、コートジボワール産コーヒー豆のほとんどはブレンドとして他のコーヒー豆に混ぜられるか、またはインスタントコーヒーや缶コーヒーの原料として使われるケースが多いです。

今後コートジボワールの経済が安定化してコーヒー豆の生産も増えれば日本への輸出も増えて、毎日飲むインスタントや缶コーヒーにもコートジボワール産コーヒー豆が当たり前のように使われる日が来るかもしれませんね。
 
 

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