エスプレッソコーヒーとは?普通のコーヒーとの違い

「エスプレッソ」というのは聞いたことはあるけど、一体それが何なのかよくわかっていないという人は多いかと思います。

「エスプレッソって、そもそも何?」
「名前の由来は?意味は?」

エスプレッソというのがまず「飲み方」なのか、ドリップコーヒーの種類なのか、など気になるとは思います。一般にはネスレ社の「ネスプレッソ」という名前もよく聞かれるだけに、名前自体はとてもポピュラーなんですけども。

今回はそんなエスプレッソについて、詳しく書いていこうと思います。

エスプレッソとは

「エスプレッソ」とはまず、イタリア語です。

エスプレッソは、20世紀初頭のイタリアが発祥といわれています。エスプレッソの語源は、「急行」とか「速達」という意味にあたる「エクスプレス」(express)から来ています。

抽出にかかる時間は、20~30秒ほど。これは当時のイタリア人達が朝、急いでいる出勤時などに少量のコーヒーをさっさと淹れてもらい、さっさと飲んでまた走り出したことが由来といわれています。
日本人も負けず劣らずだとは思いますが、経済成長期のイタリア人もとても忙しく、せっかちだったのですね。

またエスプレッソには「デミタス」という別称もあり、これは今では小さなカップやコーヒーを表す「デミタスカップ」「デミタスコーヒー」などと呼ばれ親しまれていますが、元はエスプレッソと同じ意味を持ちます。
デミタスとは、エスプレッソのカップのこと。demiは「半分」、tasseは「カップ」という意味です。

参照記事
イタリアのコーヒー文化-スタバなどシアトル系とは違った文化

エスプレッソの作り方

エスプレッソの作り方をざっくりと記すと、

・エスプレッソマシンに、極細挽きの豆をセット。
・マシンを稼働。これで抽出されます。

細かな豆が、高い圧力のかかった湯の中で瞬時に抽出される、というわけです。

え、これだけ?と思うかもしれませんが、エスプレッソとはそう、マシンで淹れるもの。
エスプレッソの誕生は要するに、「エスプレッソマシン」の誕生でもあります。
直火式でサイフォンコーヒーのように圧力を上げて淹れる方法もあるのですが、厳密にはエスプレッソとは呼ばないそうですね。

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技術的にはドリップほどの修行を要しませんが、豆をマシンに詰める作業は「タンピング」と呼ばれます。こちらは若干のコツが必要といわれますね。

参照記事
タンピングとは?美味しいエスプレッソを作る方法

エスプレッソのクレマ・ボディ・ハート

この三つのワードも、エスプレッソには重要なポイントです。
クレマ・ボディ・ハートとはそれぞれに、エスプレッソが抽出されてから数秒間のみ表れる「層」のこと。コーヒー豆由来のタンパク質や油分などによるもので、これらが綺麗に分かれて見えるものほど、上質なエスプレッソであるとされているのです。
この三層はそれぞれに、大切な役割を持っています。

・クレマ…エスプレッソの最上層。金色の細かい泡のことで、砂糖のような甘味を左右します。クレマが厚いほど、スウィートなエスプレッソ、ということになります。

・ボディ…中間にあたる、淡い茶色の層。旨味、コクなどを左右します。こちらが強く出ると、コクの深いエスプレッソになります。

・ハート…下部分の、色の濃い層です。こちらは内部にはなるのですが、香りに影響します。別名「アロマ」とも呼ばれます。香りといっても鼻で確かめるあの香りだけでなく、口に含んだ際に広がる芳香、また後味なども指します。

日本でもトップクラスのカフェ「スターバックス」を始め、この「クレマ・ボディ・ハート」が見られないエスプレッソは客に出せないと決めているところも数多くあるようです。
こうしてみると、エスプレッソの由来が忙しない日常の一気飲みコーヒーの様ではあったのですが、現在では少量ながらの芸術性を楽しむような、より格式の高いコーヒーには変わってきているといえるのでしょうか。

参照記事
エスプレッソ・ドッピオとは?スタバの隠れ商品の意味

「エスプレッソ式」と「ドリップ式」の違いとは

ここまで読んでいただければお分かりと思いますが、マシンを使って気圧をかけて抽出したコーヒーがエスプレッソ式。フィルターを使って抽出するのが、日本ではよく飲まれているドリップ式です。

コーヒーに比べ、エスプレッソの風味は苦味が強く濃厚な味わいで、抽出量もドリップ式の150cc~180ccに対し、エスプレッソは、20~30ccと少ない量になります。こうして比べると「demi」の意味する半分どころではないこともわかりますね。

エスプレッソ発祥のエピソード

それはエスプレッソ発祥の地、イタリアの歴史にあります。
すでにコーヒー文化が定着していたイタリアでは、1806年ナポレオンによる大陸封鎖令や1857年の世界恐慌を背景に、輸入に頼っていたコーヒー豆不足に悩まされていました。そこで苦肉の策として、挽き豆の量を減らすことにしたのです。

少ない挽き豆でコーヒーの味わいを出すには、豆を細かく挽き、抽出用の水を減らさなければなりません。エスプレッソは、原料不足による豆の節約から生まれたコーヒーだったのです。

エスプレッソの飲み方

エスプレッソは、30cc程度の飲み物です。淹れ立てを冷めない内に3、4口ですーっと飲み、アフターテイストを楽しみます。また「苦い飲み物」というイメージが強いと思いますが、本来のエスプレッソは、砂糖を入れて初めて完成するといっても過言ではありません。
エスプレッソを無糖で飲むのは、日本人くらいだとか。

本場イタリア流では、好みはありますがシュガースプーンに山盛り一杯の砂糖を入れます。そしてクレマが消えないように静かに混ぜます。3、4回混ぜれば十分です。

そして、できれば一気に、飲み干す。普通のコーヒーのようにちびちび飲んではいけません。
もしかしたら、溶け残った砂糖がカップの底に沈んでいるかもしれませんが、その砂糖はスプーンですくって食べてしまってください。とろっとした砂糖、まるでスイーツを食べているようなおいしさが楽しめるはずです。エスプレッソの本来とは異なりますが、ここは今風にゆっくりと楽しんでみても良いでしょう。

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エスプレッソトニックとは?エスプレッソに炭酸を入れた作り方