自分の好きなコーヒーは必ず見つかる。白衣のコンシェルジュが選んでくれるコーヒーのカウンセリングスペース「KOFFEE MAMEYA」

原宿の喧騒から閑静な住宅街を挟んだ静かなエリアに「KOFFEE MAMEYA」はあります。表参道地区にいるとは思えない、落ち着いた場所にひっそりと佇むMAMEYAには、座ってケーキを食べるような椅子はありません。あるのは、シンプルなカウンターと、昔の薬屋さんのような飾り棚に並ぶ豆。それに、世界中で焙煎された豆からじっくりと好みのコーヒーを選んでくれる、白衣に身を包んだコンシェルジュだけです。

Shop Data
店名 KOFFEE MAMEYA
住所 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4丁目15−3
営業時間 Mon-Sun 10:00~18:00
定休日 不定休
その他 コーヒーの価格帯:350円~1,100円(1杯)

京都のお茶屋さんのような入り口。中に広がる近未来的な世界

コーヒー好きの友人からお勧めされたKOFFEE MAMEYA。好きなコーヒーを、相談に乗りながら一緒に選んでくれるとのこと。話を聞いてみると面白そうなので、ネット上で情報を集めると、なぜか食べログでは掲載保留、電話番号も見つかりません。それにウェブ上にある写真はまるでお寿司屋さんのカウンターみたいです。もしかして、すごく頑固一徹なご主人の店だったりして。。にわかに心配になりましたが、好奇心に勝てず、とりあえず行ってみることに。

お店の場所を探すこと10分。カフェに行き慣れている人なら必ず見逃すのではないでしょうか。驚くなかれ、これが正面玄関です。どうりで見つからないはずです。見れば見るほどカフェの入り口に見えません。。まるで京都のお茶屋さんです。

入り口をくぐると、ライトアップされたカウンターが、目の前に広がります。内装もとてもカフェに見えません。

はじめてこのカフェを訪れた人が皆さん持たれる感情だと思いますが、近未来的なのに、どこか和風のインテリア。椅子が1つも置かれていない店内。何を取っても、今まで訪れたどんなカフェとも異質です。

カウンセリングで見つける、世界中で焙煎された豆の中で一番あなたに合うコーヒー

コーヒー店とは思えないカウンターの前で、思考停止状態に陥っていると、白衣に身を包んだ男性が、にこっと笑って、はじめてですか。と声を掛けてくれました。隣では、もう1人のスタッフが、韓国から来たお客さんに、自分が韓国を訪れた時の話をしながら緊張をほぐしているところでした。これだけでこのお店が好きになるという人もいるんじゃないでしょうか。ただ、これはほんの序の口。

面白いと思ったのは、普通のカフェでは、注文の際に迷ったりしていると、店員さんが後ろに並んでいる人に目配せをしたり、少々お待ちくださいとか声をかけたりするものなのですが、このお店では、それは1度もありませんでした。目の前のお客さんをせかすこともないし、お客さんから目を離すこともありません。

今回のヒアリングにかけた時間は15分。お客さんとバリスタさんしかここには存在していないような、まさにカウンセリングのような時間が流れます。訪れた人がこんなに時間かけて大丈夫?と心配になるほど、1人1人の好きなコーヒーを見つけるのに全力の接客です。

まるで茶道のような、調和のとれた抽出作法

ヒアリングが終わると、試験管に入ったコーヒー豆を取り出し、豆を挽きます。

1杯分の抽出用に予め小分けされたコーヒー豆

挽かれた粉は、銀色の小さな器に粉を移し替えられ、お客さんの前に香りを楽しんでもらうために置かれます。

粉をドリッパーに移し替え、90度ピッタリに調整されたお湯を注ぎこみます。豆によって微調整された時間で抽出されるコーヒーは、香りを楽しむためフタを付けずにカップに注がれ提供されます。まるで茶道のように、洗練された抽出です。

オーストラリアで惚れ込んだ、ここでしか飲めない焙煎所「Code Black」のコーヒー

 

KOFFEE MAMEYAに並ぶコーヒー豆はどれも、世界中を周って見つけた焙煎所のコーヒー豆を買い付けたもの。MAMEYAはあくまで焙煎所ではなく、焙煎所とお客さんをつなぐコンシェルジュの役割を持つお店です。

日本の焙煎所の他、デンマークや香港のロースターの豆も並びます。豆によって、全く印象の変わる多様性のあるコーヒーが。MAMEYAのコーヒー棚には詰まっています。

カウンセリングの中で、「コーヒーを飲むときに1番大切にすることは?」と質問があったので、「出会ったことのない、個性が大事。」と私が答えると、一癖ある豆の扱いに秀でたオーストラリアの焙煎所「Code Black」の豆をチョイスしてくれました。

柔らかい口当たりの後は、穏やかな波のように、丁寧に発酵させたコーヒーの香りがやってきます。口から鼻に、エチオピアの太陽を思わせる、力強いナチュラルの豆の香りが抜けて、濃厚なダークチョコレートを噛み締めたような強いコクが口の中で広がります。強い甘みと個性が光り、雑味は驚くことに、全くありません。

世界中の焙煎所から仕入れる豆であることも理由としてあるのか、豆の値段は少し高めです。ただ、カウンセリング豆の質を考えればそれほど高い値段では無いかもしれません。

抽出技術もお持ち帰り。1つ1つの豆に付けてくれる、手書きの抽出メモ

せっかく選んだ豆を持ち帰りたいなら、棚から同じ豆を下ろして、小売りしてもらえます。

オリジナルの袋に入った持ち帰り用のコーヒー豆

お客さんの家にある抽出器具を聞いて、それに合わせた抽出メモを作ってくれます。豆を育てた農園や、焙煎をしたロースターの話が載っているほか、抽出時間、豆の量、水の温度まで、企業秘密にしても良い情報までしっかり手書きしてくれます。

これだけでも、ちょっと行きたくなってしまいますよね。

 

吉田 祥平

フリーランスのライター・フォトグラファー。西ミシガン大学にてジャマイカブルーマウンテンのコーヒー農業を研究。東北復興を行うNGOのスタッフや内閣府のアメリカにおける使節団のコーディネートの他、東京・横浜の公的機関にて海外企業の支援を行うなど幅広い経験を持つ。