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スターバックスコーヒーやドトールコーヒーでドリンクの注文をする時に必ずサイズを聞かれるかと思います。おもむろにメニュー表を見るとそこには「ショート/トール/グランデ/ベンティ」という謎の呪文が書かれています(笑)
初めてスタバに来たほとんどの人がサイズを選ぶ時にナンダコレハと困惑するかと思います。僕は大学で上京したばかりの時に大学で知り合った女の子と初めてデートに行った時にスタバに行きました。
地方の出身でスタバなんて行ったこともなくて、マクドナルドしか行ったことがなかった僕は、ミディアムサイズのコーヒーをくださいと言って、その女の子にドン引きされたことを今でも覚えています…。
スタバではショートとトールは英語で、グランデとベンティはイタリア語という言語がごちゃまぜになったサイズを採用していますが、今回はなぜスタバがこんな分かりにくいサイズの方法をわざと採用しているのかなどについて書いていきます。
一般的にファーストフード店などでよく見るサイズは「Sスモール/Mミディアム/Lラージ/XLエックスラージ」だと思います。しかしスタバではこのサイズを採用せずに「Sショート/Tトール/Gグランデ/Vベンティ」というサイズを採用しています。
ショートサイズがS、トールサイズがM、グアランでサイズがL、ベンティサイズがXLにそれぞれ当てはまります。ちなみに日本のスタバでは見ることがありませんが、アメリカのスタバには「トレンタ(Trenta)」というサイズが存在します。
トレンタはベンティサイズのさらに上をいくサイズであり、まさにアメリカサイズの大容量になります。アメリカ人ですらトレンタサイズを頼む時には半分はネタではしゃぎながら注文しているようです。
それぞれの容量は、ショートが240ml、トールが350ml、グランデが470ml、ベンティが590ml、トレンタが910mlになります。グランデサイズがペットボトル1本分くらいで、トレンタサイズが大きいペットボトル一本分くらいでしょうか。
グランデサイズはショートサイズの2倍くらいで、トレンタサイズはショートサイズの4倍くらいです。そう考えると、大きいサイズと小さいサイズの間にはけっこう差がありますね。
スタバのサイズ表記の方法はどう考えても初見者には分かりにくすぎます。スタバほどのグローバル企業であれば、当然専門のマーケティング部門やプロモーション部門のようなものがあるかと思います。
それでもあえて英語とイタリア語を混ぜ合わせた分かりにくいサイズ表記をしているのは、CEOであるハワード・シュルツがイタリア流のコーヒーの飲み方に大きく感銘を受けているからなのです。
スタバはカフェなので当然ドリップコーヒーをメインで提供しているのですが、ラテやカプチーノなどイタリア流のエスプレッソコーヒーも提供しています。お客さんもコーヒー愛好家の人よりは、そこまでコーヒーにこだわりはないけど息抜きしたいという人の方が多いかと思います。
なのでブラックコーヒーに興味がない人も多く、ラテやカプチーノなどスチームミルクエスプレッソを使った、よりまろやかで落ち着く味わいを好むお客さんも多くいます。スタバがここまで成功した理由の1つがこのイタリア流のコーヒーを取り入れたためだと言われています。
CEOのワード・シュルツ自身もイタリア流のコーヒーを好んでおり、ドリンクのメニューにイタリア流コーヒーをたくさん入れている観点から、サイズの表記も一部イタリア語を導入したわけです。
ちなみに英語でショートは「低い(=量が少ない)」、トールは「高い(=量が多い)」という意味であり、イタリア語でグランデは「大きい」、ベンティは「20」、トレンタは「30」という意味です。
20と30はオンスのことを表しており、ベンティ=20オンス=590ml、トレンタ=約30オンス=910mlというところから名前が由来しています。
ショートサイズとグランデサイズの間には2倍くらいの量の差があります。しかし料金的な差は100円ちょっとくらいしかありません。量が2倍になるのに値段は少ししか変わらないことに何となく違和感を感じる人もいるのではないでしょうか。
しかし実はこれは理にかなっています。僕は銀行で働いていたことがあり、たくさんのカフェの審査をしてきて、たくさんのカフェの決算書や収益構造などを見てきました。
一般的に飲食店の費用は食材の原価が30%、人件費が30%、土地代が30%と言われており、残りの10%が利益としての取り分になるケースが多いです(もちろんケースバイケースではありますが)。
これで考えてみると、サイズが大きくなって量が2倍になると確かに食材の原価も2倍になります。しかし、人件費や土地代などの固定費は注文のサイズが大きくなっても変わらないのでそのままです。
そのためにサイズが大きくなっても、カフェから見れば費用がそこまで増えるわけではないので、100円ちょっとくらいだけ値段を上げれば十分にペイできるというわけです。だからサイズが大きくなって量が2倍になっても、値段はそれに合わせて2倍にはなりません。
余談が多くなってしまいましたが、このようにスターバックスがサイズの表記をあえて英語とイタリア語を混ぜていることには理由があったのです。スターバックスを支えているイタリア流コーヒーに敬意を示し、おそらくどんなに分かりにくくても、今後もこの表記は変わらないでしょう。