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コーヒー豆をハッキングする

コーヒーを何度も壊滅に追いやってきたさび病の原因と歴史

人間の歴史を見ると今までに多くの疫病や病原菌などが蔓延してきました。古くはヨーロッパでペスト(黒死病)が流行ったり、身近なところ言うと最近ではインフルエンザが流行ったりしています。

コーヒーにも人間と同じように過去に疫病のようなものが流行った事があります。過去の話だけではなく、今でもコーヒー農家ではコーヒーノキが病気にならないように多くの工夫をしています。

そんなコーヒーにとって最も注意を払わなければならない病気は「さび病」と言われています。今回は今までに幾度となくコーヒーノキを感染してきたこのさび病について、その概要、歴史、対策方法などについて書いていきます。

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コーヒーさび病とはひとことで言うと、コーヒーノキがカビによって発症する病気です。コーヒーノキがかかる病気の中で最も深刻なものであり、過去にはいくつものコーヒー農園がこの病気によって壊滅してきました。

カビの一種である「さび病菌」が原因なのですが、感染するとコーヒーノキの葉の裏側に斑点が現れます。斑点にはいくつかの色があるのですが、その中の1つが赤さびのような色をしていることから“さび病”と言われています。

感染したコーヒーノキの葉は枯れて、他の葉へと次々に広がり、すべての葉が枯れ落ちてしまいます。葉がなければ当然コーヒーノキそのものも生存できなくなり、コーヒーノキそのものが枯れ落ちてしまいます。

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このさび病は空気感染するために、一度発生すると一気に他のコーヒーノキにも広がります。さび病菌は空気中をさまよい、風や雨で国をまたいで瞬く間に広がります。なので、その感染力はとても高いです。

さび病は4月〜5月と9月〜10月の時期に、比較的に低温な状況で降水量が多くなると発生しやすくなると言われています。コーヒーノキ以外もさび病は感染し、カーネーション、落花生、玉ねぎ、ぶどうなどもさび病の影響を受けます。

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コーヒーさび病の歴史

コーヒーノキのさび病への感染は昔から何度も繰り返されているのですが、その中でも深刻だった感染時期は大きく2回あります。1回目は1860年代〜1880年代にアジアを中心に発生した集団感染です。

1868年にインド洋に浮かぶセイロン島というコーヒー生産地でさび病が大流行し、コーヒー栽培は崩壊しました。翌年の1869年にはインドでも同じさび病が流行り、コーヒー栽培は壊滅しました。

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更に少し間が空いて1888年にはインドネシアのジャワ島でさび病が流行り、壊滅とまでは言われいでも、甚大な被害をもたらしました。

2回目のさび病の大規模感染は1970年に中南米で発生しました。この時にはコーヒー豆の世界最大の生産国であるブラジルも大きな被害を受け、コーヒー市場は大きく混乱しました。

この2回の大流行ほどではないにしても、現在でも定期的にさび病によるコーヒー農園の被害は発生しています。2008年にはさび病がコロンビアで発症しコロンビアのコーヒー豆の生産量は約半分になってしましました。

今後もさび病は定期的に発症すると考えられており、そのたびにコーヒー農家とコーヒー消費者を悩ませるであろうと想定されています。

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農薬をはじめとしたさび病への対策

1回目のさび病の大流行がアジアを中心に起きた際には、セイロン島ではコーヒーの栽培を諦めて代わりにお茶の栽培がされるようになりました。インドやジャワ島では病原菌に強いロブスタ種のコーヒー豆が栽培されるようになりました。

その後何度となくさび病を経験することで、さび病への対策も少しずつ分かってきています。病原菌に強いロブスタ種への切り替え以外にも、品種改良でさび病への耐性が強いコーヒー豆が栽培されています。

ゲイシャといパナマ産のコーヒー豆はその独特の味から世界中で人気を誇っていますが、このコーヒー豆ももともとはさび病への耐性の高さから栽培が開始されたのがきっかけでした。

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ゲイシャなどパナマ産コーヒー豆の特徴

最近では農薬の品質向上も進んでおり、農薬によってある程度まではさび病を抑えることができると言われています。

コーヒー豆はもともと栽培条件の制限が多くコーヒーベルトと言われるエリアの一部でした生産することができません。そんな厳しい栽培条件の中でもさらに病原菌によって苦しめられたりもしています。コーヒー農家の努力と苦労があるからこそ、美味しいコーヒーが実現するのです。
 
 

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