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コーヒー豆をハッキングする

インスタントを作るスプレードライ製法とスリーズドライ製法とは

コーヒーが飲みたいなあと思った時に、インスタントコーヒーを使って手軽にサクッと飲む人も多いかと思います。僕もたまにインスタントコーヒーで飲むのですが、あの手軽さはすごい便利だと思います。

お湯を入れるだけで作れるその手軽さと安さがウリですが、一体どうやってこんな便利なインスタントコーヒーは作られているのだろうか疑問に思ったことがある人はいませんか?

インスタントコーヒーはコーヒーの普及に大きく貢献していますが、その製造方法はいくつかあり、それぞれメリットとデメリットがあります。今回はそんなインスタントコーヒーの歴史と製造方法について書いていこうと思います。

目次

1). インスタントコーヒーの発明者は加藤サトリ博士
2). インスタントコーヒーが普及するまで
3). スプレードライ製法
4). フリーズドライ製法
5). インスタントコーヒーを美味しくする方法
6). インスタントコーヒーは更に進化する

インスタントコーヒーの発明者は加藤サトリ博士

インスタントコーヒーの発明は人々の生活を大きく変えました。それまでは手軽に飲むことができなかったコーヒーですが、インスタントコーヒーができてからは多くの一般大衆でもコーヒーが飲めるようになりました。

コーヒー豆を抽出した液を乾燥させて粉末状にして、お湯を入れるだけでコーヒーが作れるようになったのはとても画期的な発明でした。ただし、インスタントコーヒーは決して本気でドリップしたコーヒーに味で勝つことはできません。

インスタントコーヒーの発展の歴史は、いかに本気でドリップしたコーヒーと比べて品質を下げずにコーヒーを抽出できるようにするかにあると言ってよいでしょう。

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インスタントコーヒーを作ろうという試みは昔からありました、1771年にはイギリスで水に溶かして飲めるインスタントコーヒーが考案されましたが、賞味期限がかなり短く、製品として成り立たせることはできませんでした。

1889年にはニュージーランドのデイビッド・ストラング氏がインスタントコーヒーの製造方法について特許を出願しましたが、これも製品として成り立たせることはできませんでした。

その10年後の1899年にアメリカに住んでいた日本人科学者の加藤サトリ博士が、コーヒー豆の抽出液を真空乾燥させる技術を開発し、パンアメリカン博覧会で「ソリュブル・コーヒー」として発表しました。

参照記事
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この加藤サトリ博士のインスタントコーヒーは結果的には商品化までは成功しなかったのですが、この製造方法は現在のインスタントコーヒー製造の基盤となりました。あまり知られていませんが、日本人がインスタントコーヒーの発明に大きく関わっていたのです。

その後1906年にアメリカでジョージ・ワシントン(アメリカの初代大統領と同名ですけど別人ですw)が「Red E Coffee」としてインスタントコーヒーの商品化に成功し、一般消費者によってインスタントコーヒーが飲まれるようになりました。

インスタントコーヒーが普及するまで

インスタントコーヒーが広く普及するに至るきっかけが、1920年代後半におきました。コーヒー豆の世界最大の生産地であるブラジルが例年にないくらいたくさんのコーヒー豆を生産し、コーヒー豆の価格が暴落したのです。

そのために大量のコーヒー豆が余ってしまい、その余ったコーヒー豆をどう利用するかが問題となりました。そこでブラジル政府は「ネスレ」に余ったコーヒー豆で加工食品を作るように依頼しました。

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数年間の研究開発を経て、ネスレは「ネスカフェ」で知られるインスタントコーヒーを開発し、それを世界中で売り始めることになりました。これがインスタントコーヒーが世界中で飲まれるようになった背景としてあります。

今でこそネスレはインスタントコーヒーを販売するグローバル企業として知られていますが、その背景にはこのブラジルでのコーヒー豆の余剰生産があったのです。最近ではインスタントコーヒーを更に発展させたソリュブル・コーヒーを開発するなどネスレは更に品質の向上に取り組んでいます。

参照記事
レギュラーソリュブルコーヒーとインスタントコーヒーの違い

スプレードライ製法

何十年もの研究開発を経て人々に普及したインスタントコーヒーですが、お湯を注ぐだけでコーヒーができるとういのはとても簡単で画期的です。そんなインスタントコーヒーを製造する方法は大きく2つあります。1つ目がスプレードライ製法であり、2つ目がフリーズドライ製法です。

スプレードライ製法では熱風で粉状コーヒーを作る

まず1つ目のスプレードライ製法ですが、これは簡単に説明するとコーヒーの抽出液を熱風で乾燥させて粉末状にするものです。日本語では「噴霧乾燥」などとも呼ばれていおり、昔はながらの製造方法です。

製造方法について詳しく見ていくと、25m〜40mくらいの高さの乾燥塔上部から高圧で抽出したコーヒー液を霧状に吹きかけて落下させます。コーヒー抽出液が落下している間に熱風によってコーヒーの水分が蒸発し、床につく頃には粉状のコーヒーになっているというわけです。

この熱風ですが、ただのドライヤーのような熱風ではなくて、なんと200度近くの超高温でコーヒーを加熱して乾燥させるほどの半端ない熱風です。このようにスプレードライ製法でインスタントコーヒーを製造するには大掛かりな装置で加工しているのです。

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スプレードライ製法のメリットとデメリット

熱風でコーヒー抽出液を粉状にするスプレードライ製法のメリットですが、大掛かりではあるのですが仕組みがシンプルで大量生産をすることができます。インスタントコーヒーは手軽さもさることながら、その価格の安さも大切なので、製造コストを抑えることはとても重要です。

また水や牛乳に溶けやすいというメリットもあります。インスタントコーヒーはドリップコーヒーに比べてストレートで飲む人は少ないと思います。多くの人がミルクやコーヒーフレッシュを入れるので、その溶けやすさはスプレードライ製法のメリットとなります。

一方で、スプレードライ製法にはデメリットもあります。それはコーヒーの風味や香りが劣化してしまうという点です。スプレードライ製法では超高温で乾燥させるので、その過程でコーヒーの風味が落ちてしまうのです。

しかし、他の製造方法に比べてそこまで極端に風味が落ちるというわけではなく、インスタントコーヒーにそこまでのクオリティの高さは求めないという人も多いのも事実です。

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フリーズドライ製法

インスタントコーヒーを製造するための方法としてスプレードライ製法をご説明してきましたが、もう一方の製造方法がフリーズズドライ製法です。

フリーズドライ製法はコーヒーを凍らせてから粉末状にする

フリーズドライ製法とはその名前のままなのですが、一度凍らせた後に乾燥させてコーヒーを粉末状にします。これは日本語では「真空凍結乾燥」などと呼ばれています。

フリーズドライ製法ではまずコーヒーの抽出液をなんとマイナス40度で瞬間的に冷凍します。凍ったコーヒーの抽出液を粉々に砕きます。それを真空状態にすることで乾燥させて粉状にします。イメージしにくいですが、真空状態にすることで熱をかけることなくコーヒーを乾燥させることが可能なのです。

フリーズドライ製法のメリットとデメリット

フリーズドライ製法のメリットは何と言ってもコーヒーの風味や香りが劣化しにくい点です。スプレードライ製法では高温で乾燥させていましたが、フリーズドライ製法では熱を使わないので、風味が飛びにくくなります。

そのためにフリーズドライ製法の方がフリーズドライ製法よりも美味しいインスタントコーヒーができると一般的には言われています。

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一方でフリーズドライ製法のデメリットとして、製造方法が凍らせたり真空にしたりと煩雑で、手間がかかるために大量生産が難しくて製造コストがかかってしまう点があります。

また、凍ったコーヒーを砕く過程で、どうしても粉末の1つ1つが大きくなりがちであり、そのために水や牛乳に溶けにくいと言われています。このようにフリーズドライ製法もフリーズドライ製法もそれぞれ一長一短の製造方法といえるでしょう。

インスタントコーヒーを美味しくする方法

インスタントコーヒーは簡単に作れる点が大きなメリットなのですが、それゆえにコーヒーの味がどうしても普通のドリップコーヒーに劣ってしまうのも事実です。しかし、ちょっとした工夫でインスタントコーヒーも味を向上させることができます。

お湯は80度にする

少しコントロールするのが難しいのですが、インスタントコーヒーに注ぐお湯は温度を熱湯ではなくて80度くらいにするとより美味しくなります。80度くらいにすることで嫌な苦味を抑えることができます。

感覚としてはお湯を沸かしてから数分そのまま冷めしてインスタントコーヒーに入れると良いでしょう。

インスタントコーヒーをフライパンで焼く

インスタントコーヒーはどうしても香ばしさがないのですが、インスタントコーヒーの粉末をフライパンで軽く焼くことで香ばしさをつけることができます。

あまりに少しだけの量をフライパンで焼くと焦げてしまうので、焦げないように注意しながら、軽く焼くようにしましょう。少し面倒ですが、これだけで味がガラッと変わるので試してみると面白いです。

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インスタントコーヒーは更に進化する

100年間を超えるインスタントコーヒーの歴史ですが、インスタントコーヒーも日々進化していっています。インスタントコーヒーとしてまず出てくるのがスティックタイプのコーヒーです。

スタバでも「VIA」などスティック状のコーヒー粉末にお湯を入れるだけで美味しいコーヒーが飲めるものがあります。スティックタイプのインスタントコーヒーはインスタントコーヒーをより美味しく高品質にするための1つの進化と言えます。

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海外のスタートアップの中には、インスタントコーヒーの品質を向上させようとしている企業も多くあります。例えばサンフランシスコのスタートアップであるSudden Coffeeは、スティックタイプの筒状のものにコーヒー粉末を入れることでインスタントコーヒーの品質を向上させようとしています。

参照記事
今までにない高級インスタントコーヒーが開発された!-Sudden Coffee

わざわざドリップしなくても手軽に飲めるコーヒーには大きな需要があります。そのため今後もインスタントコーヒーはさらなる進化が期待されており、近い将来にお湯を入れるだけでドリップとほぼ同じコーヒーが飲める日が来るかもしれません。
 
 

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